手付金の意味・金額の決め方とポイント

契約関連
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物件を購入したいという顧客がいよいよ現れました。依頼していた不動産業者の担当者から「購入希望者が現れました!」と連絡が入り、購入希望者の年齢や家族構成や資金計画など、とりあえずおおまかな内容を伝えられます。いつかは——と考えてはいたものの、いざ急に連絡が入ると、どのような準備や心づもりでいればいいのか分かりません。担当者からは、「契約の準備ができたらまた連絡します」と言われたものの、ただ次の連絡を待っているだけでいいのかどうか色々考えますよね。

「購入希望者が現れました!」

依頼者からすると、購入希望者が現れて購入申込みを頂いたというのはうれしいのですが、普通に急な連絡だったと感じる方もいらしゃると思います。不動産営業マンによっては、案内に関することについては逐一、依頼者に連絡しない者もいます(これは、いちいち連絡して都度、期待させるのも——や、案内を連絡すると結果報告もしなければならなくなる——あまり感触がよくないのが続くと媒介契約を切られそうだな——など色々な考えが働くからだと思います)。私が現役の営業マンだった頃は、最初の問い合わせ及び案内までのやりとりの中で感触がいいお客様(多分、決まる・・・)と感じたときだけ、依頼者に案内予定日等の連絡を行い、その際、もし値引き交渉があった場合どのように対応するか又は、依頼時より、ある程度値引きしてもいいですよという依頼者の場合、実際、どの位の値引きが可能かどうかをこの時点で再度細かく確認を行っていました。私の場合のお話ですがこれまで、依頼者とはお互い信頼できるときに限り媒介契約を結んできました。信頼関係が結べそうにない依頼者はこちらから丁寧にお断りです。営業マン時代の私の大事なポリシーでした。全ての案内を連絡するのは、お互い気持ちが不安定になることもあるだろうし——お互い無駄なことかな——依頼者も逐一連絡を受けるのは大変だろうな——大きな動きがありそうな時だけ連絡しますとあらかじめ伝えたから——信じて待っていてください——現役時代の私の頭の中はこんな感じでした。

さて、そうこうしているうちに営業マンから契約に関する連絡が再び入りました。「契約の日程を決めさせて頂きたいのですが、契約日〇月〇日で決済日〇月〇日では(ご都合)いかがでしょうか?」「手付金〇〇円、残りは〇〇銀行で融資を受ける予定です」「契約時に立ち会われる場合、ご準備いただくものは〇〇です」主な確認内容と連絡はこのような感じで行われます。細かくは、建物が在る場合・建物を解体する場合・動産を撤去する場合・測量を行う場合等によって、確認内容等も増えますし各々大事なポイントも有りますが、それは次以降の章でお伝えするとして、今回は、本題の’手付金の意味・金額の決め方とポイント’についてお伝えします。

本題

早速ですが、手付金にはいくつかの性格を有するもの(証約手付・解約手付・違約手付)がありますが、一般的な不動産の取引における手付金は、解約手付です。相手方の承諾は無く、買主は手付金の放棄、売主は手付金の倍返しによって契約を解除する旨を通知することにより解除が成立します。そして、手付解除の行使に際し特別の理由は必要ありません。そして手付金の額に制限はありません(売主が宅地建物取引業者の場合は多少、話がかわりますので、今回はあくまで個人対個人の取引のケースとします)。「理由は必要ない——」「手付金の額に制限はない——」 そうです。手付金があまりに低額の場合には、当事者は契約を解除しやすくなります。例えば、契約がいやになった——相手が気に入らない・・・ほかに購入したい物件が出てきた——残代金が調達できない(買主が全て現金払いで購入する場合)——と判断したとき、低い金額の手付金の放棄(契約の解約)で済まされることになります。買手の状況にもよりますが、本来、手付金の金額は可能であれば、違約金と同額程度又は、お互い契約の効力が弱すぎず強すぎない程度の金額にするのがいいと思いますが、最近では10万円程度又は1万円という、不動産の契約としては低額の手付金での契約も数多くあります。買手からすると仕方のないことだと思いますが、これでは契約の効力が弱すぎて買手から安易に解除されかねません。

売主と買主の契約内容のバランスが非常に良くないと思います。

手付解除に関しては、一般的に手付解除期限が設けられます。この期日までならば、買主は手付金の放棄、売主は手付金の倍返しによって契約を解除する旨を通知することにより解除が成立することになります。

低額の手付金の場合はこの期日がポイントです。

補足になりますが、契約の解除に関しては、手付解除のほかにも住宅ローン特約による解除などあります。いずれの場合でも、例えば建物の解体や測量を行っている途中での解除となると大変な事です。

手付解除や住宅ローン特約については通常、いずれも解除期日を設けますが、売主負担で建物の解体や測量を行う契約の場合、非常に重要な部分になります。契約後のキャンセルや住宅ローンの否認などは時々ありますので、解体更地渡しの条件で売主が建物を解体する場合や確定測量などを行う場合は、解除期日以降の着手をおすすめします。

引渡し日・解体業者や測量会社の都合などありますので、日程的に余裕をもった内容で契約を結ぶことをおすすめします。契約前に担当者と十分に打ち合わせを行いましょう。

また万が一ですが、解約に備えて違約金の額についても解体や測量の費用が有る程度考慮された設定額であるとより安心できます。

WEB上などには、手付解除期限には十分な期間を置くようにしましよう・契約日から1週間や10日程度の短期の期限は民法の趣旨、公序良俗に反します・月単位の期日設定が望ましい・特約(手付解除は違約で違約金の支払いとなる)を結べばおおよそ問題無い等々、様々な見解が乱立しています。いったいどれが正しいのでしょうか。不動産に関するどのような問題も結局はケースバイケースによって判例も大きく変わることが有ります。私はこれに関しては、売主と買主の契約内容のバランスや状況などを考慮したものについて売主及び買主の双方が合意すれば問題は無しという考えなので、低額の手付金の場合は売主及び買主の双方合意のうえで、手付解除期日は比較的短期に設定していました。

もし皆様がこのような低額の手付金で契約を結ばなければならない場合に、手付解除期日をどうすればいいのか分からない場合は、まずは担当営業マンに相談した後、やりとりしている不動産業者が加盟している最寄りの不動産保証協会(たいていは全国宅地建物取引業保証協会 ハトマークか全日本不動産保証協会 ウサギマークのいずれか)に確認してみるのがよろしいと思います。

不動産業者が加盟している最寄りの不動産保証協会(たいていは全国宅地建物取引業保証協会 ハトマークか全日本不動産保証協会 ウサギマークのいずれか)に確認する際は、念の為に、確認した日時や担当者氏名などを記録しておくとよろしいと思います。

まとめ

今回は「手付金の意味・金額の決め方とポイント」についてお伝えしました。売主及び買主の双方にとって、バランスの取れた内容で設定されることを望みます。

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